小姑的静岡空港案内その3(レストラン編)

SUZY(メンカタ)

2009年06月25日 20:54

飛行機を見ながら天丼を食べよう!? 沼津魚がし鮨

梅雨本番を迎えて、霧の多い牧の原の恒常的な気候による欠航やダイパート(目的地変更)が目立ってきました。これからどうなるのでしょうか?さて、今回は静岡空港唯一のレストランの沼津魚がし寿司フードコート編です。って、そもそもフードコートとは複数の飲食店が集まっているのが定説なのに一店舗でフードコートとはこれ如何に??と、最初からツッコミです・・・。



私が行ったのは平日の夕方という空いている時間でしたのでサクッと食べることができました。テーブルは飛行機がちょこと見られる外向きのカウンター席の他は4人掛けや2人掛けのテーブルが10から12くらいでしょうか。テーブルも椅子も大学やスキー場のカフェテラスのような機能優先でおしゃれ感、座り心地はイマイチなものです。見学者の多い土日とか出発とランチ時間が重なるお昼時は混雑するのでしょうね、きっと。

このお店、行った方なら百も承知でしょうが、寿司、それも静岡ではおなじみの沼津魚がし鮨なのに回転寿司屋でもなく普通の寿司屋でもなく寿司をはじめ、ラーメン、うどん、そば、丼、定食などなどなんでもありの一昔前のデパートの大食堂か駅前の大衆食堂といった感じです。テーブルの間隔も狭く寛げる感じではありませんが、窓が大きく開放感があるのが救いです。



このお店のシステムは最初に食券を買ってから好きな席に着席し、店内のアナウンスで番号を呼ばれるかカウンター上の電光掲示板に食券の番号が表示されたら取りに行くというスタイルになっています。面倒くさい面とコストダウンが図られていて料理の値段が普通のお店と大差ないものとなっているという両面があります。調味料やお箸などのカトラリー、お茶やお水などもセルフサービスになっています。ちなみに寿司につきものの日本茶は粉末をお湯で溶かした緑の濃い回転寿司でお馴染みのものです。茶処静岡でこのお茶はないんじゃないの??とまたまたツッコミを・・・。

ということで、このレストラン1軒では空港のレストランをまかなうのはやはりどこか無理があると思います。本当は、このような簡便なカフェテラス方式のレストランとフルサービスのレストランの両方があるといいのですが・・。この静岡空港ではラウンジもありませんから、ラウンジ代わりにこのお店でお客さんとビジネスランチを取りようにもゴチャゴチャしている上に雰囲気がカジュアルすぎて仕事の話なんてできません。近くにもお店はありませんし・・・。



さて、今日の狙いはこの店の一番人気という魚がし天丼をいただきます。値段は980円です。この値段で長さ20センチくらいの海老が2本に寿司ネタと同じと思われる小さめなアナゴ2本、小さめなキス1本、野菜はナスが2枚、カボチャがなぜか3枚、しし唐は1本です。野菜が多いように思いますが、値段から考えると妥当なラインナップですね。

ご飯の量も普通ですし、衣の厚めの天ぷらの効果?もあってかボリュームがありますので満腹感は高いです。天ぷらのネタは寿司屋だけあって最高とはいきませんが、それなりの品質はあると思います。揚げ方もカラッとしていますし、油の劣化もないようで食後の胸焼けもありませんでした。これで物価の高くなる空港レストランで980円は合格点かなと思います。ただ気になったのは天丼のキモでもあるタレがイマイチだったことです。もう少しコクと深みが欲しいのと上からタレを掛けるのでなくタレをご飯に染み込ませた上に天ぷらをタレにくぐらせて欲しいですね、天丼ファンの私としては。まぁ、天丼チェーンの天丼と同様くらいのクオリティはありますし、下手な食堂のものより良かったくらいですよ。あと、天丼にザーサイは合わないかと・・・。



このほかのものは食べていませんが、ラーメンやうな丼、カレー、しぞーかおでん、もちろん寿司の盛り合わせなどの食事からコーヒーなどの飲み物など何でもありますし、朝はモーニングもありますが、700円以上する強気の値段設定です。今回は天丼しか食べていませんが、子供連れやカップルで見学にきて食事したり、搭乗前にサクッと食べるにはこれで十分なのでしょう。が、食べることが好きな者にとってはどこか物足りなさが残るのも事実です。2階のお土産屋の時と同じように総花的なメニューと静岡の良い面、小さい店が持つ本当の良い面が出ていないように思います。このような公共施設では、このような大きな企業が出店するしか手はないのでしょうが、どこか不満が残ってしまいます。



それから、この沼津魚がし鮨の前にはお弁当を売っているコーナーがあります。最近人気の駅弁ならぬ空弁ですね。しかし、この空弁、特別な包装や内容のものではなく、スーパーの惣菜コーナーで売っている弁当とそんなには変わってはいません。浜松の業者が入っている関係で「うなぎまぶし弁当」とか「浜名湖の恵み弁当」など遠州地方の食材を使ったものがありますが、が幕の内や日替わり弁当など空弁でなくてもいいものもけっこうあります。

値段は500円程度から800円程度ですからお手頃かもしれませんが、プレミアム性や静岡らしさはほとんどないのが少し不満です。まぁ、これは見学者用のお弁当として買われるパターンが多いからかもしれませんが、やはり観光客の人がお土産として誇らしげに自宅へ持ち帰ることができる独創性のあるキラリと光る弁当が欲しいですね。



と、レストランもお弁当も想像の範囲内というか、新しい空港の施設とは思えないような地味なもので、華やかな気分にもお洒落感も旅行につきものの非日常のワクワク感も感じさせないところが、静岡空港のある田園地帯、丘陵地帯にマッチしているといえばマッチしているかもしれません。このレストラン、北海道や九州・沖縄、それから韓国など外国から来た人はどう評価するか楽しみでもあります・・・。



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