きまぐれコンセプトクロニクル@ホイチョイ

SUZY(メンカタ)

2010年08月23日 21:41

夏の読書感想文⑨ バブルを知っている人も知らない人も・・・

今日のニュースの中に「芸能レポーターの第一人者だった梨本さんの死去」と「渋谷のHMVの閉店」というものがありました。なにかひとつの時代がまた終わったなぁと思ったのは、最近この本をパラパラと読んでいるからです。その本とは「きまぐれコンセプト・クロニクル」です。クロニクル=年代記と言うように1984年から2007年までの連載が網羅されていますから、分厚いです。本を持って読むには適していません。いつものように図書館で借りました。



このきまぐれコンセプト、昭和世代の人にとっては誰もが知っていると思います。いわゆるギョーカイと呼ばれる広告代理店を舞台に、クライアントのメーカーや、テレビ局、芸能界などなど派手で華やかでちょっとおろかな東京のあれやこれが4コママンガで語られています。よくテレビ番組でも「昭和○○年はこんな年だった」というのを放映していますが、それを簡潔にシニカルに、今となってはちょっと滑稽に読んで懐かしむことができます。

この本も、20年ぶりの単行本ということらしいのですが、その理由は作者のホイチョイプロダクションズの久々の映画である「バブルへGO!」の宣伝のためということ2007年に出版されたのですが、単行本も映画もバブル景気のように打ち上げることができなかったのは、不景気だったからでしょうか。



なんせ、バブルの頃には同じホイチョイが作った「私をスキーに連れてって」が大ヒットして、スキー場のリフト待ちなんて1時間は普通だったですし、次の「彼女が水着に着替えたら」では、女性の多くがダイビングライセンスを取りましたからねぇ。まぁ、あの頃は、本当に多くの人の金回りが良くて、夏は海、冬は山、それ以外は街で飲み歩きと遊んでいましたからねぇ。私なんかはかわいいものでした・・・。

それにしても、このきまぐれコンセプト、10年以上読んでいませんでしたが、絵も内容もそれほど変わっていないのはある意味凄いことですね。時代背景はイケイケドンドンから不景気どん底へと変わりましたが、ネタ的には男女関係や芸能ネタ、時事ネタなど、都会的、ギョーカイ的な視点から描き続けているのは流石だと思います。時代は作ってきただけのことはあると思います。


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