テレビ消灯時間@ナンシー関

SUZY(メンカタ)

2012年12月12日 21:32

マイナーでいこう!③ 史上最高のテレビ批評家、ナンシー関!

先日、小沢昭一さんが亡くなりました。歌舞伎の中村勘三郎さんのお通夜と葬儀と重なって、ワイドショーではほとんど触れられなかったのですが、ラジオ好き、昭和好き、マイナー志向の人の者にとってはとてもショックなことでした。長寿番組の小沢昭一的こころは、歴史に残る名ラジオ番組だったと思います。ご冥福をお祈りします。



そんなこんなで、ラジオの偉人が小沢さんだとしたら、テレビを巡る偉人といったら、今はなきナンシー関さんでしょう。早いもので亡くなってから10年経つそうですが、今現在でもその著作、特にテレビ番組批評を読むと、その比類なきまっすぐで一視聴者の立場で、テレビ番組と出演者を冷静に、時には温かく分析し、バッタバッタと斬り捨ててきた文章はある意味清々しいものがありました。

彼女は毎日毎日、朝から深夜まで消しゴム版画を彫りながら、もしくは文章を書きながらライブや録画でテレビを見続けていたそうで、根っからのテレビ好きだったんでしょうね。テレビが生まれた時から存在した昭和世代、ゲームやネットがなかった昭和世代にとってはテレビは娯楽の王様でしたから。ネット全盛の現在は誰でもがテレビ番組や出演者、芸能人に対して気軽にあれこれ言うことができますが、ナンシー関のように鋭く、的確に真髄を切り取ることができる人っていないでしょうね。

そんなナンシー関さんのテレビ批評は、多くのものがありますが、一番有名なのは、週刊文春に連載されていた「テレビ消灯時間」でしょう。毎週毎週これを楽しみにしていたという人も多かったと思います。21世紀の今は週刊誌にはパワーがそれほどありませんが、20世紀末の週刊誌、特に週刊文春は華やかなコラムが目白押しで、凄い人気があったものでした。

今回、久しぶりにナンシー関さんのテレビ批評を再読してみて、この当時よりさらにつまらなくなった現在のテレビ番組、特に民放のゴールデンタイム、民放化しているNHKの番組に対し、生きていたらどんな批評をしていたのでしょう。ヒナ段芸人とか、AKB、ジャニーズドラマ、ステマ押しのランキング番組、ユーチューブ垂れ流し番組などなど、どのような切り口でまとめるのかとても興味があります。まぁ無理ですが・・・。

と、ナンシー関さんを知らない人は一度読んでみることをお勧めします。それにしてもアマゾンでのレビューのナンシー関の評価が高いのにはびっくりしてしまいます。当然といえば当然なのですが・・・。それから、ナンシー関とマツコデラックスですが、毒舌、辛口、さらに体型が似ていますが、引き出しの多さと視点の確かさでは断然ナンシー関の方が上でしょう。

 

関連記事