静岡道楽日記

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すかたん@朝井まかて

野菜大好き!最終回 浪速の野菜時代小説は面白い!

今年もいろいろな本を読んできました。例年よりも少なめながら印象に残るもの、イマイチなもの、この作者なら間違いないものなどなど乱読してきましたが、段々と読むのが増えてきたのが時代小説です。若い頃は時代小説や時代劇なんてと思っていたのですが、これが面白くなってきたのですから不思議なものです。

すかたん@朝井まかて

そんな時代小説でもちょっと毛色が変わったのが本書です。作者は直木賞作家の朝井まかてさん、題名は「すかたん」。関西弁で間抜けという意味ですね。その題名通りに舞台は大阪、そして主人公が勤めているのが青物問屋、今で言う青果卸ですね。このお店に住み込みの女中として働き始めたのが江戸生まれのです。

この主人公の苦労話と店の若旦那とのほのかな恋愛話と、青物問屋の仕事話が縦糸と横糸になって綴られていきます。特に江戸時代の大阪の野菜事情や土地柄の話など時代小説ならではの薀蓄話がたまりません。たとえば、お店があるのは天満で、これは今でも天満橋商店街や天神祭りで有名ですが、ミナミの中心、難波はその当時は農村だったとか・・・。

それから、この小説、第3回の「大阪の本屋と問屋が選ぶほんまに読んでもらいたい本」に選ばれました。第1回は、高田郁さんの「銀二貫」、第2回が三浦しをんさんの「仏果を得ず」とどちらも読んだことのある本、しかもおもしろい本だっただけに、この本もなるほどなぁと思った次第です。大阪の商売ものが好きな人は読んでみても損はないと思います。

と、女性作家の時代小説には大きなハズレなしの格言?通りにこの本もなかなかのものでした。なにより普段の大阪の生活がほんわかとした語り口で書かれているのが一番でした。そうそう、江戸時代の昔から松茸は高級な食材だったんですね・・・。

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流@東山彰良
流@東山彰良(2017-08-01 21:19)

この記事へのコメント :
こんにちは

朝井まかてさんの小説は、
スッキリした粋な感じが好きです。

これは未読でしたので来年の課題にさせていただきます。

今年もお世話になり有難う御座いました。
良いお年をお迎えください。
Posted by sue at 2016年12月29日 21:47
sueさん、こんにちは。今年もお世話になりました。

朝井まかてさんの小説は初めて読んだのですが、女性作家らしいやさしい話でほんわかとしていながら一本筋が通っていて気に入りました。

来年もお互いに良い本とおいしいラーメンに出会いたいですね。
Posted by SUZY(メンカタ)SUZY(メンカタ) at 2016年12月30日 19:47
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