香港浦島旅2 湖南料理のお店でお値打ちなランチを!
日本では北京、上海、四川、広東の中国四大料理が有名ですが、中国では八大料理と呼ばれています。その中のひとつに湖南料理があります。あの四川料理よりも辛い料理として知られています。日本では余り食べる機会がありませんが、ここ香港では多くの湖南料理のお店が営業されています。
このうちの一軒である湘舎壱號は、香港島の灣仔にあるブティックホテル内にあります。周りはビジネス街でもあるので平日のランチタイムにはお値打ちな商業ランチを実施しています。これは使わない手はないとホテルから予約して向かいました。お店は個室仕立てになったゆったりしたもので、それまでの相席とは真逆の優雅なランチタイムとなりました。
コースは前菜やメインなどは数種類から選ぶプリフィックススタイルとなっています。選んだのはインスタや香港版食べログのオープンライスなどで下調べしたもので、余り辛くないものを中心にしました。それもあってか辛いものと辛くないもののバランスがとれて最後まで飽きずに食べつくすことができました。しかも満腹になりました。
最初は付きだし的なスナックで、サツマイモを使った薄くパリッとしたおせんべいです。これは日本のお菓子といっていいほどのもので、軽い食感が手が止まらなくなります。ビールの代わりに注文したお店自慢の黒ウーロン茶と一緒に頂きました。これは大きなポットで出てくるので、段々と濃くなってくる過程を楽しむことができました。
次は前菜で皮蛋と青唐辛子のマリネです。お洒落な石鍋で供されました。唐辛子の鮮やかな緑色が目を惹きます。味は皮蛋のまったりとした味わいと青唐辛子のピリッとした刺激が相まって、これまた箸が止まらなくなります。皮蛋そのものはそんなに好きではありませんが、これは調味料の妙に唸りました。気になる辛さはそれほどでもなくマイルドです。
次はたっぷりと出てきたスープです。色合いは薄いピンクで、具はレンコンです。レンコンのスープなんて日本ではお目にかかることはありません。スープ自体の味わいはあっさりとしたもので、中国料理の基本である上湯を使ったベースだと思われます。一番のポイントは良く煮込まれたレンコンのほっこりとした味わいとコクで、栗とさといもを合わせたような感じです。
次というか、中国料理アルアルですが、このスープを飲んでいるとメインが2つ続けてやってきました。これが日本の同じような感じのお店ならコース仕立てということもあって間隔を開けてやってくるんでしょうが、テーブルと一度に賑やかにさせないといけない本場ならではのものなんでしょうね。
メインのひとつは十八秒牛肉と称されるもので、質の良い牛肉を細切れしたものをニンニクの芽とにんにくと唐辛子と一緒に炒めたもので、しっかりとした辛さがあります。四川料理でお馴染みの青椒肉絲をもっと繊細にして辛くした感じで、一番のポイントは牛肉のおいしさと十八秒の名の通りにサッと炒めたレアさですね。これが今日イチのおいしさでした。
メインのもうひとつは厚揚げと豚挽肉の炒め物です。これはまんま日本のおばんざい的な料理でやさしい味わいが特徴です。中国に厚揚げがあるかどうかわかりませんが、日本の手作りした厚揚げと同じ見た目と味わいでびっくりしました。湖南料理ですからほのかに辛みがありますが、他の料理が辛いので良い箸休めとなりました。メインの2品はご飯に合う料理でした。
これと一緒に出てきたのがキャベツの炒めものです。キャベツをサッと油通しをしてから炒めたもので、軽い食感が特徴です。シャキシャキとした歯応えがちゃんと残っています。これもやさしい仕上がりとなっています。香港で野菜料理というと炒めよりも茹でが主体ですが、これは炒めですから馴染みがあって良かったですね。
主食は 大麦で作った生地の中にキビで作ったフィリングを詰めて焼いたケーキのようなもので、サクッとした生地の中に甘さ控えめなフワフワとしたものが詰まっています。これは辛さが全くないやさしい味わいで、辛い料理と一緒に食べると真価を発揮します。
デザートは中国料理の難点のひとつですが、こちらのお店でもそれは一緒で白キクラゲのシロップ漬けで、甘さはそれほどないものの味付けがちょっと変わっていてイマイチでした。クコの実なども入っており体には良いのでしょうが、なんとか完食して〆となりました。
と、初めて食べた本格的な湖南料理のコース料理でしたが、四川とはまた違った辛さのバリエーションを感じることができました。痺れよりも色々な唐辛子やフレッシュな青唐辛子やパプリカを使った繊細で奥深い辛さを体験することができました。一度に何皿も出て少々忙しいランチとなりましたが、お値打ちにランチを食べることができて良かったです。こちらのお店もまだまだ日本の人には知られていない穴場のようです・・・
香港・灣仔駱克道57-73
852-9592-5883
p.s.毎年のことですが仕事が忙しくなるため、来週から記事の更新は金曜日のみとなります。よろしくお願いします・・・