台湾まんぷく紀行⑪庶民派の海鮮店で新鮮で豪華な夕食を!
このお盆休みに台湾へ行かれている人もおられるんでしょうね。羨ましい限りです。そんな台湾ですが、日本と同じように周りを海に囲まれている島国ですから海鮮料理屋さんもたくさんあります。特に最近は入り口で好きな食材を選んで好きな調理法で食べさせてくれて、しかも一品100元から(約300円)という熱炒店という格安店が幅を利かせています。

今回夕食に選んだ阿嬌海鮮店は、そのような格安店とはちょっと違って均一店の大規模店ではありませんが、日本で考えられないほど安くて、しかもおいしいといううれしさ爆発のお店だったのです。こちらは、日本のガイドブックはもちろんのこと日本人の旅行記や現地駐在の人のブログにもほとんど登場しないレアなお店なんです。場所はMRTの近くでアクセスもいいんですがねぇ。はっきり言って穴場のお店だと思います。
このお店がある信維市場は、夕方から道路の両脇に屋台店が並ぶ台湾名物の夜市になっています。その匂いと熱気はアジアのパワーを感じさせてくれます。雰囲気はちょっと薄暗くて街並みもそれほどきれいではありませんが、逆にそれだから安くて旨いお店がありそうな気がしてきます。さて、MRTから歩いて5,6分でお店に到着しました。店頭には魚屋のように所狭しと魚や貝が並んでおり、注文はこの魚をみて、アドバイスを受けながらしていくのです。

が、こちらのお店は日本での知名度は0に近いので日本語は通じないことはもちろんのこと、日本語のメニューなんてものもありません。しかし、下調べと筆談とカタコトの怪しい中国語でなんとかなるから不思議です。やはり同じ漢字を使っているというのは非常に助かりますね。「清蒸」とか「炒」なんて調理法と材料の漢字がどんな素材かわかっていれば大丈夫なんですから。おまけにこちらのお店は家族経営で、皆さんやさしい人ばかりで何かと面倒をみてくれました。って日本人のお客が珍しいからというのもあるかもしれませんが・・・。

最初は目当ての「蜆(シジミ)のニンニク漬け」をお願いしたのですが、メイヨー(無い)ということで、シジミのニンニク炒めをお願いしました。もうひとつの前菜はどのテーブルにも乗っている、このお店のスペシャリテともいうべき海老の蒸したものです。とりあえず、この2皿でビールを飲もうという寸法です。ビールは台湾で一番おいしいと思っている台湾ビールの金牌です。名前もそのまんま「キンパイ」です。
中国料理の良い点は注文してからすぐに運ばれてくることです。ものの2,3分でしょうか。最初はしじみです。台湾産のシジミは日本のものより数倍大きいもので、下手なアサリほどの大きさがあります。身もぷっくりとしていて、にんにく、しょうが、ネギ、台湾醤油などで仕上げられています。味付けはあっさりめで素材の味わいを生かしてあります。シジミの旨みが出た皿に残ったスープもこれまたおいしいんですよねぇ。

もうひとつの海老の蒸し物(一番上の写真)も台湾では大規模に養殖されていますから安くて旨いものがどこでも食べることができます。が、やはり調理の良し悪しで旨さが違ってくるものです。こちらは酒の香りもそれほどでもありませんし、塩気が強すぎることなく、海老の甘さが上手に出ています。特に味噌のこっくりとした旨さはたまりません。無言になって黙々とアツアツの海老の皮をむいて口に運ぶのは、甲殻類ならではのお楽しみですね。
前菜の2品だけを食べてみても、こちらのお店のご主人の腕前の確かさがわかるような気がします。次は、銀魚のから揚げと蒸し魚の王様、ハタをお願いしました。これは小さなもので2人でちょうど良い大きさのもので、あらかじめ値段を聞いていたので注文できましたが、海鮮料理の高級店で食べることになったら、この倍くらいはしたかもしれません。もうひとつ麺類で台湾名物のビーフン炒めをお願いしました。食べきれるか心配になりましたが、大丈夫でしょう。

銀魚は日本でいうと白魚でしょうか。長さ5,6センチほどの細めの魚をまるごと天ぷらにしたもので、台湾の塩胡椒につけていただきます。もちろんアツアツです。これはまんま日本の和食屋や天ぷら屋で出てくるようなものです。刺身で食べられるようなものを軽めの粉でさっくりと揚げてあるんですからおいしいに決まっています。お箸が止まらない、ビールのお供には最適なつまみといえるかもしれません。ちなみに台湾の塩胡椒には化学の力が入っています・・・。
食べてみたいと思っていたビーフン炒めなんですが、これは失敗でした。ちょっとぐんにゃりしていて、日本で食べた方がおいしいかもしれません。同じ麺類ならどこのテーブルにも載っていた名物の「海鮮炒麺(チャーメン)」にしておけばよかったです・・・。そんな失敗を挽回してくれたのが、メインの石班魚(ハタ)の清蒸です。大きな銀の皿になみなみと汁が入っている上に、魚の上には白髪ネギや香菜などがたっぷりと乗っています。もちろん下には固形燃料が燃えていますよ。

味は、言うまでもないですね。ふんわりとろけるほど身が柔らかで、淡白なのに味が深いんですね。煮魚の王様が真鯛なら中国料理の魚蒸しの王様はハタと言われるのが理解できます。煮えていない、まだ白さが残っている時も、段々と煮詰まってきて汁や薬味の旨さを十分に吸った時も両方ともおいしいんです。思わず「白飯ください!」と言いたくなりました。やはり海鮮料理では蒸し魚は外せませんね。
と、このお店、台湾人の方のグルメブログで見かけたのですが、大正解でした。昨年行った日本人旅行者にも知名度のある海鮮料理屋も良かったのですが、味以上に値段がお手頃で抜群のコストパフォーマンスでした。といっても日本人の感覚かもしれませんが、塩加減も控えめで、新鮮な素材を生かす薄味仕上げで日本人の我が家の味にぴったりとはまりました。日本人のブログに出てこないのが不思議なくらいな穴場のお店だと思います。

あーあ、日本、それも漁港が豊富にある静岡県にもこのような中国料理店って出来ないのでしょうか。流行ると思うのですがねぇ。
台北市大安區大安路二段15巷2號
2706-1177
このお盆休みに台湾へ行かれている人もおられるんでしょうね。羨ましい限りです。そんな台湾ですが、日本と同じように周りを海に囲まれている島国ですから海鮮料理屋さんもたくさんあります。特に最近は入り口で好きな食材を選んで好きな調理法で食べさせてくれて、しかも一品100元から(約300円)という熱炒店という格安店が幅を利かせています。

今回夕食に選んだ阿嬌海鮮店は、そのような格安店とはちょっと違って均一店の大規模店ではありませんが、日本で考えられないほど安くて、しかもおいしいといううれしさ爆発のお店だったのです。こちらは、日本のガイドブックはもちろんのこと日本人の旅行記や現地駐在の人のブログにもほとんど登場しないレアなお店なんです。場所はMRTの近くでアクセスもいいんですがねぇ。はっきり言って穴場のお店だと思います。
このお店がある信維市場は、夕方から道路の両脇に屋台店が並ぶ台湾名物の夜市になっています。その匂いと熱気はアジアのパワーを感じさせてくれます。雰囲気はちょっと薄暗くて街並みもそれほどきれいではありませんが、逆にそれだから安くて旨いお店がありそうな気がしてきます。さて、MRTから歩いて5,6分でお店に到着しました。店頭には魚屋のように所狭しと魚や貝が並んでおり、注文はこの魚をみて、アドバイスを受けながらしていくのです。

が、こちらのお店は日本での知名度は0に近いので日本語は通じないことはもちろんのこと、日本語のメニューなんてものもありません。しかし、下調べと筆談とカタコトの怪しい中国語でなんとかなるから不思議です。やはり同じ漢字を使っているというのは非常に助かりますね。「清蒸」とか「炒」なんて調理法と材料の漢字がどんな素材かわかっていれば大丈夫なんですから。おまけにこちらのお店は家族経営で、皆さんやさしい人ばかりで何かと面倒をみてくれました。って日本人のお客が珍しいからというのもあるかもしれませんが・・・。

最初は目当ての「蜆(シジミ)のニンニク漬け」をお願いしたのですが、メイヨー(無い)ということで、シジミのニンニク炒めをお願いしました。もうひとつの前菜はどのテーブルにも乗っている、このお店のスペシャリテともいうべき海老の蒸したものです。とりあえず、この2皿でビールを飲もうという寸法です。ビールは台湾で一番おいしいと思っている台湾ビールの金牌です。名前もそのまんま「キンパイ」です。
中国料理の良い点は注文してからすぐに運ばれてくることです。ものの2,3分でしょうか。最初はしじみです。台湾産のシジミは日本のものより数倍大きいもので、下手なアサリほどの大きさがあります。身もぷっくりとしていて、にんにく、しょうが、ネギ、台湾醤油などで仕上げられています。味付けはあっさりめで素材の味わいを生かしてあります。シジミの旨みが出た皿に残ったスープもこれまたおいしいんですよねぇ。

もうひとつの海老の蒸し物(一番上の写真)も台湾では大規模に養殖されていますから安くて旨いものがどこでも食べることができます。が、やはり調理の良し悪しで旨さが違ってくるものです。こちらは酒の香りもそれほどでもありませんし、塩気が強すぎることなく、海老の甘さが上手に出ています。特に味噌のこっくりとした旨さはたまりません。無言になって黙々とアツアツの海老の皮をむいて口に運ぶのは、甲殻類ならではのお楽しみですね。
前菜の2品だけを食べてみても、こちらのお店のご主人の腕前の確かさがわかるような気がします。次は、銀魚のから揚げと蒸し魚の王様、ハタをお願いしました。これは小さなもので2人でちょうど良い大きさのもので、あらかじめ値段を聞いていたので注文できましたが、海鮮料理の高級店で食べることになったら、この倍くらいはしたかもしれません。もうひとつ麺類で台湾名物のビーフン炒めをお願いしました。食べきれるか心配になりましたが、大丈夫でしょう。

銀魚は日本でいうと白魚でしょうか。長さ5,6センチほどの細めの魚をまるごと天ぷらにしたもので、台湾の塩胡椒につけていただきます。もちろんアツアツです。これはまんま日本の和食屋や天ぷら屋で出てくるようなものです。刺身で食べられるようなものを軽めの粉でさっくりと揚げてあるんですからおいしいに決まっています。お箸が止まらない、ビールのお供には最適なつまみといえるかもしれません。ちなみに台湾の塩胡椒には化学の力が入っています・・・。
食べてみたいと思っていたビーフン炒めなんですが、これは失敗でした。ちょっとぐんにゃりしていて、日本で食べた方がおいしいかもしれません。同じ麺類ならどこのテーブルにも載っていた名物の「海鮮炒麺(チャーメン)」にしておけばよかったです・・・。そんな失敗を挽回してくれたのが、メインの石班魚(ハタ)の清蒸です。大きな銀の皿になみなみと汁が入っている上に、魚の上には白髪ネギや香菜などがたっぷりと乗っています。もちろん下には固形燃料が燃えていますよ。

味は、言うまでもないですね。ふんわりとろけるほど身が柔らかで、淡白なのに味が深いんですね。煮魚の王様が真鯛なら中国料理の魚蒸しの王様はハタと言われるのが理解できます。煮えていない、まだ白さが残っている時も、段々と煮詰まってきて汁や薬味の旨さを十分に吸った時も両方ともおいしいんです。思わず「白飯ください!」と言いたくなりました。やはり海鮮料理では蒸し魚は外せませんね。
と、このお店、台湾人の方のグルメブログで見かけたのですが、大正解でした。昨年行った日本人旅行者にも知名度のある海鮮料理屋も良かったのですが、味以上に値段がお手頃で抜群のコストパフォーマンスでした。といっても日本人の感覚かもしれませんが、塩加減も控えめで、新鮮な素材を生かす薄味仕上げで日本人の我が家の味にぴったりとはまりました。日本人のブログに出てこないのが不思議なくらいな穴場のお店だと思います。

あーあ、日本、それも漁港が豊富にある静岡県にもこのような中国料理店って出来ないのでしょうか。流行ると思うのですがねぇ。
台北市大安區大安路二段15巷2號
2706-1177