静岡道楽日記

静岡県内外のおいしいお店、怪しいお店、日々の出来事、面白スポット、身近なニュースなどを鋭くも暖かい視点?で掘り下げていきます。

蕎麦処 山下庵@山下洋輔

旅する本棚④ 山下洋輔と仲間がつづる蕎麦の話あれこれ

この時期、蕎麦屋に行くと「新そば」「新蕎麦はじまりました」の暖簾やお知らせが出ています。冷蔵設備がよくなった今ではそれほど関係なくなったとはいえ、やはり良いものです。そんな蕎麦は食べれば食べるほど興味がわいてくる、ある意味やっかいなものです。俗にいう蕎麦通、蕎麦好きって奴ですね。

蕎麦処 山下庵@山下洋輔

そんな蕎麦好きのひとりでもあるジャズピアニストの山下洋輔さんが友人知人に声を掛けてまとめたものが蕎麦処 山下庵なる本です。蕎麦の本というと、蕎麦屋の案内やガイド、蕎麦に関するウンチク本が多いのですが、この本は、それぞれの蕎麦好きが、蕎麦に関して普段考えていることや、いつも行っている蕎麦屋のこと、蕎麦業界?に関しての考えなどをサラリと、時にはえげつなく、はたまたニヒルに語っています。

蕎麦に関して述べている人はタモリ、椎名誠、南伸坊、妹尾河童、やくみつる・・・と多士済々です。で、それぞれが贔屓の蕎麦屋を書いているのですが、蕎麦の本やランキングで出てくるようなお店よりも、地元に密着しているようなお店が多いのが特徴的です。普段使いの名店ってわけですね。

「何時間も掛けて山奥の蕎麦屋へ行って、ざるにちんまりとした盛られた蕎麦をありがたく食べる」よりも近所の蕎麦屋で気軽に日本酒と蕎麦を愉しむ方が良いということのようです。確かに私もこの意見は一理あると思うのですが、蕎麦道として山奥の蕎麦屋のこだわった蕎麦も楽しみたいですし、近所の気軽な蕎麦屋でカレー南蛮とかカツ丼のセットも楽しみたいんですよねぇ。まぁそれだけ蕎麦の道は幅広いってことですね。

そうそう、この本には企画ものとして落語家の林家正蔵師匠との対談が載っているのですが、これがけっこうおもしろかったですね。名人と言われた人の蕎麦のすすり方についてとか、二つ目の時に真打の師匠に蕎麦屋へ連れて行ってもらったエピソード、蕎麦屋とジャズのBGMの関係など、このセッションはなかなか読ませました。

と、この本は他の蕎麦本とは毛色が違っていて、楽しく読むことができました。帯の「蕎麦とジャズは大人のものだ」と書かれているのですが、なるほどなぁと思った次第です。ジャズはまだ開眼していないのですが、蕎麦の奥深さの一端はわかってきたかなぁと思ったりもしています。

タグ :蕎麦

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流@東山彰良
流@東山彰良(2017-08-01 21:19)

この記事へのコメント :
山下洋輔さんはどうやってそばを喰うのでしょうか。
まさかひじ打ちはしませんよね(笑)

何となくですが、
ジャズ好きと蕎麦好きの共通点がわかるような気がします。

この本探してみますね
Posted by sue at 2011年11月22日 00:57
蕎麦には様々な薀蓄があり、三人三様で面白いですね。
質素な造りの民家のような所で手打ちの蕎麦を食べると
もう 普通の街場のは 別物になってしまいますね。
県内(島田市)にも 東京からもわざわざ駆けつけるほどの
地味な蕎麦屋があります。
近くて憧れてはいますが…まだ行けていません。
Posted by 霧のまち at 2011年11月22日 10:07
sueさん、こんにちは。

山下洋輔さんは蕎麦を食べるにもリズミカルのようです。江戸っ子らしくササっとたぐるようです。

蕎麦とジャズ、似ている部分ってありますよね。蕎麦と汁がケンカせずに上手にセッションすると抜群の味になりますからね。

それから、この本は静岡市立図書館で借りましたから、リクエストすればあるかと思います。
Posted by SUZY(メンカタ)SUZY(メンカタ) at 2011年11月22日 21:34
霧のまちさん、こんにちは。

蕎麦って不思議な食べ物で、作り手や食べるお店によって受ける印象が変わりますね。山の中の民家で食べる田舎蕎麦と街中のこじゃれた蕎麦屋のものとは全く違った感じになりますから。

それから島田市初倉の蕎麦屋、宮本ですが、高いけどおいしいですよ。一度試しにどうぞ。
Posted by SUZY(メンカタ)SUZY(メンカタ) at 2011年11月22日 21:38
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