静岡道楽日記

静岡県内外のおいしいお店、怪しいお店、日々の出来事、面白スポット、身近なニュースなどを鋭くも暖かい視点?で掘り下げていきます。

関西名物上方みやげ@創元社

マイナーでいこう!⑪ プロの技をプロの筆で魅せる珠玉のガイド

いやー、やられました。私も長いこと食べ物系のブログを書いていますが、本職のライター、一流の書き手が書く、食べ物屋、食べ物の記事のレベルの高さは流石と唸りました。その本とは、関西名物 上方みやげというガイドブックです。京都、大阪、神戸・阪神間、奈良の4府県のおすすめ土産を紹介しているのですが、どの店も商品も光り輝いているんですね。

関西名物上方みやげ@創元社

この本を書いたのは、関西を代表する食べ物系ライターの大御所、井上理津子さんと、団田芳子さんの2人です。井上さんは、最後の色街飛田とか本屋さんの本を書いているフリーライターで、こちらが公式サイトでブログもやっています。団田さんは、関西のグルメ雑誌、あまから手帖を主舞台としているフリーライターです。この本の前にもふたりで大阪名物という同じ形のガイドを出しており、今回のものはその第2弾になります。

具体的にこのガイドでどんなお店が出ているかというと、京都はお馴染みのお店というか知っているお店がけっこうあります。嘯月のきんとん、神馬堂のやきもち、マールブランシェの茶の菓、村上重のしば漬け、半兵衛麩の生麩などなど。これに対して、そのほかは知っている店や物よりも知らないものの方が多いんですね。これがポイントだと思うのですが、物産展やメディアに出てくるような有名店ではなく、地元の人に親しまれている名店が多いってことだと思います。

具体的には、西宮・ミッシェルバッハのケーキフランク、神戸一燈園の串かつ、かいやの焼き通し蒲鉾、大阪は純喫茶アメリカンのビフカツサンド、やまつ辻田の柚子七味などなど、読んでいいると。思わずお店に行ってみたくなるんです。が、多くのお店が土日祝日休みなんですが、このことも地元相手のお店という証拠かもしれません。

で、どんな文章にグッときたかというと、原了郭の黒七味の書き出しが「とにもかくにも香りが素晴らしい」結びが「一子相伝。13世の当主がそう記している」。いりごまの書き出しは「相手を選ばない、のである」。お茶漬けでは「贅沢茶漬けの名前、もっともだと思う」高級あんぱんの紹介は「あんぱん一個250円とは、ふざけたお値段だ。しかし、見よ、この艶やかに輝く飴色の焼き色を。そして割ってみよ。光沢のあるあんの中に大粒の小豆がゴロゴロ」・・・と、どの文章もこのような完成された食欲をそそるもののオンパレードなんです。

と、このガイド、関西のお勧め土産の紹介だけでなく、食べ物系ブロガーのお手本のような本でもあるんですね。金が取れる文章ってこのようなもののことを言うだと思います。これに比べると静岡のローカルグルメ雑誌は・・・・ですね。

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流@東山彰良(2017-08-01 21:19)

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