静岡道楽日記

静岡県内外のおいしいお店、怪しいお店、日々の出来事、面白スポット、身近なニュースなどを鋭くも暖かい視点?で掘り下げていきます。

泣き虫弱虫諸葛孔明@酒見賢一

三国志の別の側面をえぐり、ツッコミをする痛快大衆小説! 

今年も色々な本を読んできました。週一冊は無理だったとしても月に2,3冊は読んだのではないでしょうか。感動した本、面白かった本、イマイチだった本などいろいろありましたが、今年の本業界ではなんといっても本屋大賞を受賞した百田尚樹さんと、倍返しの池井戸潤さんの大ブレークでしょう。両人ともほとんどの著作を読んでいるほどのファンなので自分のようにうれしかったですね。

泣き虫弱虫諸葛孔明@酒見賢一

このような中にあって、私は個人的に時代小説をだいぶ読むようになってきました。これも寄る年波なのでしょうか、藤沢周平さんとか高田郁さんなどあれこれ乱読しています。そんな中で異色でもあり心に残ったのが酒見賢一さんの「泣き虫弱虫諸葛孔明」です。現在まで3部まで刊行されており、別冊文芸春秋で第4部が連載中です。

この小説は、題名にもあるように三国志の本になります。三国志といえば、本家中国をしのぐほど日本では人気があります。吉川版とか北方版、はたまた漫画の横光版まで様々の解釈な三国志が展開されています。私はというと吉川英治版は途中断念、マンガの横光利一さんのものは読破?しました。

で、酒見版の三国志は、今までのものとはガラッとカラーが違い、パロディというよりも自分なりのツッコミやおかしいところ、普通では考えられないところをしっかりと自分なりに解釈して面白おかしく、それでいて真っ当に書かれてあるのです。今回の第参部では、あの赤壁の戦いが主に書かれています。

映画にもなった赤壁の戦いも、酒見さんにかかれば、孔明は怪しく腹に一物ある軍師として描かれていますし、周愈軍団は広島弁を操るヤの集団になってしまうのです。今までの三国志はとかく劉備率いる蜀の面々を英雄に描いていますが、酒見版では酒乱で乱暴者でどうしようもない軍団として描かれているのです。

この本は三国志を知っている人、三国志を読んだことのある人の方が楽しめると思います。元々の三国志が大長編ですから、この小説も今までの3冊でもけっこうな分量、厚さになります。この年末年始は長期の休みということで三国志好きの人は、ひと味もふた味も違う酒見版の三国志読んでみても損はないと思いますよぉ。

そうそう、最近読んでいる万城目さんの初の時代小説「とっぴんぱらりの風太郎」が直木賞候補になりました。受賞してくれるとうれしいですね。


同じカテゴリー(活字の話題)の記事
流@東山彰良
流@東山彰良(2017-08-01 21:19)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
泣き虫弱虫諸葛孔明@酒見賢一
    コメント(0)