静岡道楽日記

島田市初倉地区にある老舗の隠れ家とんかつ店！

豚肉料理の代表格といえばなんといってもとんかつではないでしょうか。最近は低温で揚げたものやブランド豚を売りにしたお店など色々と出ていますが、主流は昔ながらのカラリときつね色に揚がった香ばしいものです。そのとんかつを独特のソースで食べさせてくれるのが島田市の初倉地区にある弦月です。



お店は幹線道路から一歩入った場所にあるだけでなく案内看板もほとんど出ていないので、知る人ぞ知るお店となっています。店内はカウンターと小上がりだけのこじんまりとしたもので、夜は居酒屋的な使い方もされているので純粋にとんかつを愉しみたいならランチタイムの方がいいかもしれません。



この日は夜の開店時間早々だったのでお酒を飲んでいるお客さんもおらずゆっくりと食べることができました。こちらのお店のメニューは今どきの高騰が続くとんかつ屋と比べるとひと昔前のものと思われるほどのお手頃さです。これも老齢のご夫婦ふたりで切り盛りしているからだと思われます。



メニューが豊富なのでカツ丼やカツカレーにも惹かれましたが、定番のとんかつ定食にしてみました。豚肉や揚げ油の高騰が続くとんかつ屋では２０００円オーバーも当たり前の世界の中、税込み1300円はお手頃といっていいかと思います。しかも出てきたとんかつのボリュームは揚げ前で200ｇ以上はあると思うほどのボリュームがありますから・・・



そんな弦月のとんかつの一番の特徴は全面に掛けられた特製のソースの存在です。これ目当てで来られる常連さんが多いと言われるほどのものです。で、そのソースは和風デミグラスソースともいうべき存在で、私には油がちょっと多めなのがきになりましたが、隠し味に味噌が使われているほか、醤油や味醂など静岡らしく甘くて濃いめの味付けが人気の秘訣かと思われます。



そんなソースを受け止めるとんかつ自体はザ・昭和の出来栄えで、脂身が少な目のロース肉を細目のパン粉でカラリと揚げたもので、今風の粗目の生パン粉＋低温揚げとは真逆といっていいかもしれませんが、これはこれでおいしいのです。家庭ではできない熟練の職人技を感じることができました。



私は、多めに添えられた練り辛子をたっぷりとつけておいしく食べることができました。豚肉自体ではなくソースの油分が最後にはきつく感じたのは私の年齢のせいなのでしょう。あとボリュームがありますからね。そうそう、定食につきもののご飯と味噌汁が丁寧に作られたものがわかるものでした。これって重要なことだと思います。最後に水菓子まで出てきたのには驚きました。



と、久しぶりに訪れた弦月でしたが、今では貴重になった喫煙可能のお店であり、店主自ら仕事の途中でもタバコをおいしそうに吸うほどで、こえれが気になるお客さんもいるかと思いますが、それも含めての弦月のとんかつワールドといっていいかもしれません。お手頃で独特のとんかつを楽しむお店だと思います。次回はカツカレーを食べたいと思います・・・

島田市阪本1381-8
0547-38-0266　　11：30～13：30　　17：00～20：30　　不定休