静岡道楽日記

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French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

予約が取れない、焼津の大人気カジュアルフレンチ! NARU

もうすぐクリスマスです。この日は一年で一番フレンチやイタリアンなどのレストランが混雑するシーズンです。ハレのディナーが似合うのはこの手のレストランですからね。最近はフレンチよりもイタリアンの方が人気があるようですが、やはりフレンチの華麗さは捨てがたいものがあると思います。今回のナルは、まさに華やかで外で食べる楽しさが味わえるお店といっていいと思います。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

こちらのお店は焼津市の郊外、小川地区にあります。チェーン店が並ぶ幹線道路からちょっと入った場所で、フレンチレストランという敷居の高さはなく、気軽に使うことができます。この辺りの狙いは場所柄と店主の考えからきているのでしょう。が、出てくる料理の数々はカジュアルに見えても食べてみると本格的、本物とわかるものです。

フレンチやイタリアンレストランの場合、ランチ、ディナーどちらの方が得意か、どちらの時間帯に行くほうがいいのか、お店によって分かれるかと思います。郊外のお店はランチ、街中のお店はディナーの方が得意としている場合が多いように思います。こちらのお店もランチの方がお値打ちで混雑しているようです。日曜日は定休日なので、土曜日や祝日のランチは3週間から1ヶ月ほど前に予約しないと埋まってしまうことが多いというのですから、その人気ぶりがわかっているってものです。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

今回は、祝日に伺ったのですが1週間ほど前に電話したところ、キャンセルが出たのかカウンターならということでOKが出ました。3度目か4度目の正直くらいのアタックでの初訪問になりました。店内はカウンターとテーブル席でどちらも白木を基調にしたカジュアルでかわいい内装です。女性客が多いのも納得できる和める雰囲気になっています。そうそうトイレもかわいいですよ。

ランチはメインを選べるプリフィックスのコース1890円一本になります。メインは選ぶものによって+200円とか300円の追加がかかります。最近はランチコースは1500円程度のものが多いのでちょっと高めに感じるかもしれませんが、食べ終わってみると満足度は値段以上のものがあると思います。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

フレンチの前菜というと一皿一品のことが多いのですが、こちらのお店はイタリアンのような盛り合わせになっています。ちょっとづつ色々食べたい女性を考えのことでしょう。今日は、トマトのムース、グリーンサラダ、キッシュ、さつま芋の温製サラダ、トマトのゼリー寄せになっていました。

この前菜の盛り合わせ、ひとつひとつの料理は一口二口の量なのですが、旬の素材を使い、どれも丁寧に作られているのに好感が持てます。味付けもおとなしめ控えめで、料理のスターターとしても丁度良いのです。私はフレンチの前菜はガツンとしたしっかりめのものの方が好きですが、女性はこのようなスタイルの方が喜ばれると思います。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

次はスープです。私が行ったのは初秋でしたので、ごぼうの冷たいスープでした。新ごぼうの野性味とクリームのやさしさが上手にマッチしてアッという間に飲み干してしまいました。レストランで出されるスープは家庭で出すことの出来ない手の込んだもの、ちょっとした驚きが感じられるとうれしくなってしまいます。

今日はカウンターに座ってのランチなのですが、料理の間には厨房の動きを何かと観察してしまいます。こちらのお店はご夫婦で営んでいるのですが、二人の阿吽の呼吸、チームワークが素晴らしいのです。久しぶりにプロの動きを見た思いがしました。静岡のレストランの場合はアルバイトやホールスタッフの資質が劣る場合があるのですが、こちらのお店は無駄な動きがなく、指示することもなく、無言でテキパキと料理を仕上げていくのです。これを見るのもカウンターでの楽しみですね。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

次は、自家製のパンに続いてメインの登場です。他のレストランと同じように肉料理の選択肢が多いのは仕方がないですね。焼津のお店ですからもう少し魚料理があればうれしいのですが、仕入れのこともあるのでこうなってしまうのでしょうね。この日は、ひとつがお勧めの仔鴨の胸肉ロースト、もうひとつは魚料理から鰆のカダイフ揚げを選びました。

フレンチの肉料理といったら、鴨や羊、鳩、仔牛などがメニューに載っているとうれしくなってしまいます。その点でいくと、こちらのお店はランチでも羊や仔鴨などがしっかりと載っているのが偉いですね。これはご主人の考えのようで、ジビエまではいかなくてもフレンチらしい素材をフレンチらしいソースで食べさせるのを基本としているとのことです。これは真っ当なことなのですが、静岡でランチでこれを実践しているお店が少ないですからうれしいですね。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

さて、料理ですが、ちゃんとフレンチしていました。鴨はポーションは女性向けのサイズながら柔らかさ、鴨らしい血の味わい、カシスとベリー、ジュが入った本格的なソースとまとまりがよく、肉を食べたぁという感じになれました。それから彩り以上の野菜の付け合せが花を添えています。種類豊富な野菜を見るだけで外食したといううれしさがあると思います。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

魚料理の方はどうでしょうか。こちらも野菜の付け合せが最初にインパクトがあります。絵画的といっていいと思います。このメインのきれいさは女性にはうれしくなってしまうでしょうね。魚は、フレンチではお馴染みの小麦粉で作った極細麺で作ったカダイフで揚げてあるのですが、このカリッポリッとした食感の面白さ、楽しさがまずきて、次に魚のフワッとした旨みがきて一度に何度も楽しめるようになっていました。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

あと、パンですが、これも自家製で料理に合ってなかなかのものでした。おかわりもできますし、温度管理もちゃんとできているのも良いですね。もちろんソースはパンでぬぐってピカピカのお皿になって帰っていきました。次はデザートですが、これはそれまでの料理に比べて弱いかなと思いました。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

この日は、ロールケーキにきなこのジェラート、フランス伝統のお米のプリンだったのですが、和風の感じもあってか地味目な印象でした。まぁ、デザート重視で料理はイマイチなお店よりも料理重視でデザートはクールダウンの時間となる方が良いのですが、これでデザートが下手なケーキ屋顔負けのものになれば鬼に金棒って感じになると思います。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

最後の〆はコーヒーか紅茶、ハーブティーに焼き菓子で終了です。ランチの値段でここまで出されるとは思っていませんでした。コスパという点では焼津ということを差し引いてもなかなかのものがあると思いました。この値段でこの料理、おいしさですから予約がとれないのもわかりますね。サービスは接待でなければ必要十分ですし、普段使いやちょっとしたお祝いごとにはぴったりだと思います。

French Kitchen NARU(ナル)@焼津市

と、噂に聞いていたNARUでしたが、焼津という立地と小さなお店、ご夫婦2人で切り盛りしているということもあってか、値段以上の満足感を得ることができました。男性にはもう少しボリュームが欲しいところですが、女性グループ、女性連れなら問題なく喜ばれるお店だと思います。野菜と肉に力を入れ、イタリアンに負けている感のあるフレンチ復権のためにもこれからも頑張っていってほしいお店だと思います。

焼津市小川3055 T-3ビル
054-623-7710 11:30~14:00 18:00~21:00(予約がお勧めです) 日曜日、第3月曜日休み


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